ごあいさつ




平成3年10月に仕事の多忙さと不摂生により体調を崩して長期入院をいたしました。
入院中に患者さんやドクターとの会話の中で食の安全について考えるようになりました。
それまでは、筋肉を使って労働の汗を流すこと等無かった私は、主食となる安全なお米作りを通して労働の汗をかき身体を動かすことで健康を取り戻そうと思いました。
農業と全くかかわりの無い職業からの転進でありましたが、作物の成長を間近にして、農業の大切さや大自然の恩恵を肌で感じられることが私の生きる喜びとなりました。
就農当初は体調も優れずわずかの田んぼで、農家の人から失笑される雑草だらけの稲作でしたが、作を重ねるごとに雑草も少なくなり、雑草抑制の方法も自己流ながら身に着けるようになりました。現在は玉のような汗をかくことで体調も良くなり、太陽と緑と対話しながら楽しく農業に取り組んでおります。
私の農業に寄せる情熱は、『ふるさと大地に感謝しながら農の夢を育む』ことです。近年一般的な農業は、自然の摂理に趣を置いていないように思われます。見た目の良さや、多収を優先し、環境破壊に繋がる化学農薬使用が当たり前の栽培技術を推進する農法は、あらゆる動植物の減少や化学物質の氾濫による土壌汚染に結びつくように感じられます。
私のやり方は、「田んぼに肥料を投入するのではなく餌をまく」という発想から、細菌や微生物などの餌を与えることで生物いっぱいの田んぼとなり、その生物の食物連鎖により土が甦り作物が栄養を吸収し育つという考えによるものです。そうすることで化学肥料や化学農薬の無かった100年前の安全な農地の土に戻れ、生物の多様性が見られる生態系になるはずです。
自然生態系は、地球年齢に等しい途方も無い時間を費やし成り立っています。人間の都合の良い考え方により自然は壊れ、地球が病んでいくスピードは増しています。絶滅した生物の多くは人間によるものと言われています。また環境ホルモンといった地球上に存在しなかった化学物質の氾濫が地球上のあらゆる生物に悪影響を及ぼしています。
私は、自然生態系の見事なまでの仕組みを認知し、環境に配慮して自然の摂理を組み入れた農法を確立していきたいと思います。自然の営みの尊さや、人と人の温もりを感じ合い、自然に感謝する心を忘れず、夢を求めていきたいものです。
そして必ずや、芸術作品といわれるような農産物を育て上げてみたいと願っております。


農業生産法株式会社宮崎アグリアート
代表取締役 松本嗣夫

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