病原菌との戦い その2
その2
スコップとバケツを持ってひとまず田んぼへ。
着いたところは有機栽培田です。
せっせと田んぼの土をかき集めて
大量の土をGET!
育苗ハウスに戻って
大きな桶に入れて地下水で希釈
それを稲に散布します。
元々、焼くことでほぼ無菌状態だった床土では病原菌も競合相手が少なく繁殖しやすいのです。
その育苗床に田んぼに棲む土着菌を投入することで病原菌が繁殖した苗の中で「椅子取りゲーム」がはじまります。
この作業を2、3回行なうと病気は広がらないのです。
病原菌との戦い その1
薬剤に頼らない稲作には病気もつきものです。
特に育苗期に置いては苗立枯病やもみ枯細菌病に注意しなければなりません。
今年も案の定
苗の中に突如現れたミステリーサークル。
これがもみ枯細菌病です。円形状に出現し、飛び火するようにあちこちに現れ
放っておくと育苗床全体に広がり全部枯れてしまいます。
しかもこれをそのまま植えてしまうと収穫時の稲穂にも影響が出てしまいます。
普通は
1 種籾を薬剤処理
2 種まき時に殺菌剤を使用
3 発芽後に殺菌剤を使用
この3度の薬剤処理をして防ぐのですが、もちろん有機栽培では行ないません。
先にあげた海水浸透選、温湯消毒消毒で対処するのですが、
どうしても完全には防ぎきれずに病気が出てきます。
ではどうやって病気に対処するのか?
それはあっと驚く方法なのです。
つづく
芽が出ました
先日種まきをした苗箱から芽が出てきました。
日光と温度、水分のシビアな管理が必要なところです。
ほんの数時間の管理の違いで生育が変わってきます。
最初の日に種まきしたところは緑化も進んでいます。
低温による病気も出やすい時期なので温度管理に集中することがが必要です。
25年産 早場米の種蒔き
今日は早期水稲の種蒔きでした。
南国宮崎といえども2月初旬は一番寒い時期。
ビニールハウスでの育苗になります。
今年は3日間で約1万枚の苗箱に種まきをしました。
総勢25名での作業です。1年で一番作業人数の多い日です。
とうとう25年産のスタート!身が引き締まります。
種籾準備その3
海水に浸した種籾を今度は60度のお湯につけます。
お湯に10分浸けることによって病原菌を消滅させます。
長く浸けすぎると種が死んでしまい、短いと病原菌が残ります。
ぎりぎりのところで引き上げ直ちに冷水で冷やします。
まだ2月の寒い外での水仕事は大変です。
冷まし終えたら催芽するためのプールの中に浸します。
くみ上げた地下水の水を毎日入れ替えて種籾に酸素を供給します。
できるだけ水温が上がらないようにじっくりと芽が動くのを待ちます。
種籾の準備その2
種籾を1袋7kgずつに分けていきます。
この種籾をこの後、様々な処理をしていくのですが
その時に水分を含むために結構重くなるんです。
1万枚分の種籾を合わせると約1tになります。
そして汲んできた海水の出番です。
種籾を海水に浸していきます。
当農園では一般的な薬剤による種子消毒は一切おこないません。
海水使って種籾につく病原菌の活動を抑制することと
それだけではなく種籾が活性化すると考えております。
また海水の比重を利用して種子の選別もおこないます。
続きはその3で
種籾の準備その1
一月の末日。この日は毎年、日向灘に海水を汲みにいきます。
ここは宮崎県日南市のとある港。毎年汲ませていただいています。
満潮時刻を見計らって汲みます。
河の流れ込みが無い外海に近いところの海水は不純物が少なくとても奇麗です。
海の底がはっきりと見えます。
ところで、種籾の準備じゃなかったのかって?
それはその2で。
24年産最後の収穫
24年産米の最後の収穫です。
プリンセスサリーという長粒米です。
長粒米と言えば皆さんいわゆる「タイ米」をイメージされると思うのですが、
まさにその長細い米です。
お米の中でもインディカ種という部類に入るのがこの長粒種。
ちなみに私たちが普段食べているのはジャポニカ種といいます。
1993年の米の大不作の年、政府がタイ米を緊急輸入したことは記憶に新しいと思います。
その時にパサパサしたこのインディカ種を口にされた方も多いでしょう。
当時は仕方なく普通のご飯に混ぜて食べていたので、あまり良いイメージを持っている方はいないと
思われますが、このインディカ種、調理の仕方によってとても美味しくいただけます。
おすすめの召し上がり方はまた今度ご紹介したいと思います!
野良音
今日は田んぼがコンサートステージへと様変わり。
野良!と地元の有志で企画したイベントです。
(詳しい内容はコチラにとてもわかりやすく掲載してあります。)
7月末に収穫を終えた約35アールの水田をこつこつと整備して、
前日までの雨に手こずりながらも無事に素敵な会場に仕上がりました!
何はともあれ、多くの方々に田んぼに足を運んでもらって、
五感でふるさとの自然や人のぬくもりを感じていただけたかと思います。
きっと明日の食卓に上るご飯を見て、田んぼの風景を思い出してくれるのではと思います。
生き物調査
先日、地元の農地・水保全管理活動の一環として行われている
「田んぼの学校」の夏のカリキュラム『生き物調査』がありました。
まずは水田周辺の昆虫の観察。早期米の収穫を終えた田んぼの畦。
キリギリス、ショウリョウバッタ、トノサマバッタなどのバッタ類
ツマグロヒョウモン、モンシロチョウなどの蝶
シオカラトンボ、アオモンイトトンボなどのトンボ類が生息していました。
つづいて水路の生き物調査。
水路の堰の中の水を抜き出して魚たちを調査しやすくします。
一斉に魚たちを囲みます。浅瀬に追いやられた魚たちが足の横をすり抜けていくのがわかるほど
大量にいます。
「穫ったど〜!」毎回捕まえるのが楽しみのウナギです。
実は毎回、子供たちよりも準備する我々大人たちの方が目を輝かせて童心に返って楽しんでいます(笑)
スジエビと下に見えるのはシジミ。
ハエ(オイカワ)とメダカ
ジャンボタニシとカワニナ横には1cmほどの小さなハゼ?ヨシノボリ?の群れがびっしり。
ヤマタロガニ(モクズガニ)おなじみのカニです。
他にもコイ、ギンブナなど多くの魚や貝、水生昆虫が発見できました。
しかし、今回の調査ではメダカにしてもヒメダカ、カダヤシが多く固有種のクロメダカは発見されず。
タナゴもタイリクバラタナゴが生息していました。他にもアカミミガメ(ペット用の亀)も捕獲しました。
私が子供の頃(約20年前)は用水路にはメダカやタナゴ(もちろん在来種)がたくさんいて、
家の水槽で飼育していましたが、まさに私の知っているこの間に自然が崩れていってます。
しかし、その一方で排水路等に関しては20年前くらいが一番汚かったようです。化学肥料、農薬等の多用。
生活排水等による汚濁。それが近年の適正な肥料・農薬等の使用や、減化学肥料・農薬の推進によって
少しずつ改善されたのも事実です。崩れてしまった生態系を取り戻すことは不可能に近いのが現実です。
我々は少しでも良い水質環境を未来に残すべく、努力していきたいと思います。